山光運輸株式会社 様
道内6事業所、千葉県1事業所があり、計130台のトラックを保有されています。
道内の大手建築メーカークワザワグループで運輸部門の一翼を担い、豊富な車両ラインアップを強みとし、住宅資材や食品などを運ぶ総合物流会社様です。
安全走行が重要!
“蓄積された経験と判断”
- 免許/資格:大型・けん引・中型自動二輪
- 大型トレーラーのプロドライバー経歴を持ち、日本全国の土地を走った経験がある。クルマ、バイク好きが高じて自動車関係の広告・雑誌業界に飛び込み、カメラマン(スチール・ムービー)・コピーライターとして活躍中。
“タイヤの走行音の違い”
に耳を傾けることが重要!
- 社歴:入社29年
- 担当車両:大型トレーラー
- 運搬物:建築資材(石膏ボード)
- 走行コース:札幌市~帯広市/釧路市/北見市
- 表彰歴:無事故10年表彰(社内)
- 保有免許:大型免許/けん引免許
まん延防止等重点措置や緊急事態宣言など、コロナ禍でも日本の物流を支えてくれているプロドライバーの皆様に、まずは感謝の意を表したいと思います。
さて、これから冬を迎えますが厳しい冬道走行が想定される北海道のプロドライバーの方に、冬道におけるドライビングポイントや、運転のコツをお聞きしました。
今回取材させていただいたのは、北海道札幌市で主に運送業をされている山光運輸株式会社にお勤めの小林様です。小林様はセミ・トレーラーのドライバーとしてご活躍されており、ドライバー歴29年と、ベテランのプロドライバーです。山光運輸株式会社様にご入社された直後に、4tの平ボディートラックにてご経験を積み、その後に大型トラックや、大型トレーラーの運転を任されるようになられたとのことです。
とても和やかな雰囲気の方で、取材中も明るく笑顔が絶えませんでした。
トレーラーの方が運転そのものは楽ですが(キャビンが荷台と離れており、乗り心地が良い)、左へのバック運転は技術的に難しいところもあります。
装備に関してはABSはもちろんありますが、それに加えてESC(横滑り防止装置)の性能もすばらしいので、11tの大型トラックのときよりも、リアが流れるといったことも起こりません。前進は車が変わっても積む荷物は変わないので、車両の長さはあまり気にせずに運転ができます。
タイヤを履き替えたときに違いを感じることはありますか?
運転してすぐ気付くのですが、スタッドレスタイヤは溝が深く柔らかいので、積車時ではカーブを曲がる際に少しタイヤの撚れ(ヨレ)を感じることがありますが運転に支障はありません。
運転全般に言えることですが、最も大事なことはスピードを出しすぎないことです。そして雪道や凍った道では早めのブレーキが重要です。余裕を持ってブレーキング動作に移るためには十分な車間距離の確保が基本です。
市街地だと交差点では特に慎重になります。雪の降り始めは水分が多いので、交差点を走行する車が雪を踏み固め、加えてブレーキをかけることで雪が溶け、つるつるな路面になります。また交差点手前はかなり滑りやすくなっているので信号や歩行者など早めに把握して余裕を持って停車できるように心掛けています。左折時の徐行も重要です。
出発前には天気予報を必ずチェックしています。ケタ外れの大雪になりそうなときは通行止めもありえるので、会社と相談して乗務そのものを考えます。
トレーラーで身動きが取れないと周りに多大な迷惑を掛けてしまいます。
北海道の雪質はパウダースノーといって水分が少ないので、多少雪が積もっていてもダンロップさんのSP002であれば絶対の信頼があります。
私の場合タイヤチェーンはほとんど使ったことがないのですが、雪で困るのが吹雪くと視界が悪くなることです。そのときはまず減速や徐行といった安全の確保に努めます。場合によってはヘッドライトやハザードランプを点灯しますが、普段冬道に慣れていないと怖いと思います。
そんなときは無理して周りの車についていこうとせず、視界が確保できるまで徐行運転をします。そして後続車や対向車に自分のトラックの存在をしっかり認識してもらうこと。そして先ほど話したヘッドライトの点灯や、ハザードランプを付けることが重要です。さらに、道路状況にもよりますが安全な場所以外では絶対に停車しないことです。後続車からの追突の恐れがあります。
下り坂や、山間部のカーブでは早めに減速しないといけません。
セミ・トレーラーは車の構造上、後ろの台車(シャーシ)の荷物により前へ押し出される力と、遠心力で外へ外へと押し出される力が大きいのでカーブを曲がり切れない可能性があります。タイヤがグリップしている間は操舵できますが滑ってしまうと危険なのでスピードの出しすぎには本当に慎重になります。
外気温がマイナス3度を境に路面凍結の症状が顕著に現れますので、外気温は常に気に掛けています。
スピードメーターと外気温メーターは頻繁に見て注意しています。それと凍結状態は慣れると体感でわかります。まずハンドルがフワフワと軽くなります。通常の雪道ではしっかりとハンドルの操作感があるのですが、アイスバーンだとそれがなくなります。加えて音が変わります。窓を開けて走るとよくわかるのですが、タイヤの走行音が変わります。雪道だとタイヤが雪を掻く音、シャーベット状の道だと水しぶきの音、水を弾く音がノイズとして入ってくるのですが、アイスバーンに入った途端に音がしなくなります。
滑ってしまうと車体を立て直す余裕もなく車を停めることで精一杯です。
そんなときはフルブレーキでABSを効かせて車両を止めることに専念するしかありません。そこで運よく舵が効きだしたら車体の方向を立て直します。
でも、そもそも滑らないようにスピードを出さずに普段から安全運転を心掛けることがもっとも大切です。
住宅街など除雪が入っていないとこを走行する際に、無理やりアクセルを踏んで進もうとすると車輪(タイヤ)が雪に取られ沈んでいってしまいます。
フロントが沈んだら無理に進もうとせず、一度バックをして、前に出すという運転を繰り返し、雪を踏み固める運転をオススメします。
周りの人に気を遣わせない、思いやりのある運転を心掛けて安全運転をしてください。
積雪時の道路状況では、もし自分のトラックが止まったら周りの車両も危険に晒されてしまうことを心に留めておく必要があります。気配りという気持ちを持つ余裕が安全運転に繋がる。それがプロとしての責任感だと実感しました。
企業様向け アンケート調査
企業様が考える業界のこと、ドライバーさんの役割など幅広くお聞きしました。
約一ヶ月、試用期間として新人教育マニュアルに沿って安全教育・製品等の把握と積荷の方法等の教育を実施しています。(会社が判断してから、トラックに乗せる)
貴社では対策として、どのようなご準備をされていますか?
上長・先輩方(ベテランドライバー)に、冬道に対する走行の注意喚起をお願いしております。各ドライバーにはタイヤチェーンの装備徹底もお願いしております。
貴社ではトラブル発生時はどのような対応を取られていますか?
冬道トラブル(24時間体制)については連絡網を作成し、状況確認をしながら安全第一で対応しています。
重大事故・飲酒運転・煽り運転等の撲滅や挨拶・服装・行動・言動等のレベルをアップし、第二のセールスマンとしての育成を考えております。
法令遵守を第一に考え、社会や地域貢献をしたいと思います。
- 会社名
- 山光運輸株式会社
- 事業内容
- 一般貨物自動車運送事業 / 自動車運送取扱業 / 車両の賃貸業 / 倉庫業 / 動産・不動産の賃貸業 / 石油類販売製造業 / 産業廃棄物収集運搬業
- 本社所在地
- 〒003-0030
札幌市白石区流通センター5丁目3-6
- 電話番号
- 011-860-5075
- ウェブサイト
リモート取材と、アンケート調査のご協力
ありがとうございました。