北海道地区

株式会社アイアイ・テー 様 / 株式会社ウィルキャリー 様

北海道にある株式会社アイアイ・テー様は、スーパーマーケットや食品メーカーなどの物流を主力とし、常温・冷蔵・冷凍の全温度帯に対応する倉庫を保有。食品を中心に、雑貨、繊維など運搬物は多岐にわたり、グループ全体で300台以上のトラックを保有する道内食品総合物流のスペシャリストと言われる運送会社様です。

初心忘るべからず
“他の車に対する気配り”
模範となる運転
インタビュアー松尾 晃 さん
  • 免許/資格:大型・けん引・中型自動二輪
  • 大型トレーラーのプロドライバー経歴を持ち、日本全国の土地を走った経験がある。クルマ、バイク好きが高じて自動車関係の広告・雑誌業界に飛び込み、カメラマン(スチール・ムービー)・コピーライターとして活躍中。
自動車教習所で習った
基本に忠実な走行
“スピードを抑えて
車間距離”

をしっかりとること!
ドライバー佐藤 克史
  • 社歴:入社21年
  • 現在の職務:ドライバー/グループ内の労務管理
  • 担当車両:大型冷凍冷蔵車(積載11t)
  • 運搬物:食品全般(スーパーマーケット向け配送)
  • 走行コース:石狩市~稚内市/紋別市/網走市/遠軽町/美幌町
  • 表彰歴:社内優秀ドライバー表彰2年連続受賞中
  • 保有免許:大型2種/大特2種/けん引2種/運行管理者/フォークリフト/危険物乙種2・3・4・6類/高圧ガス移動監視者 他

日本の食糧事情を支えている食品輸送は、鮮度や適性な温度管理、そして輸送時のタイムロスが商品価値に大きく影響します。北海道にある株式会社アイアイ・テーは、スーパーマーケットや食品メーカーなどの物流を主力とし、常温・冷蔵・冷凍の全温度帯に対応する倉庫を保有。食品を中心に、雑貨、繊維など運搬物は多岐にわたり、グループ全体で300台以上のトラックを保有する道内食品総合物流のスペシャリストと言われる会社です。流通過程において細やかで幅広い対応が求められる食品輸送。

今回は株式会社アイアイ・テーのグループ会社である、株式会社ウィルキャリーの佐藤様にインタビューをお願いしました。佐藤様は無事故(運転・積荷破損)、車両管理、規律遵守で総合的に優れたドライバーが受賞する、社内優秀ドライバー表彰を連続受賞中で、模範ドライバーと評価されています。そんな第一線でご活躍されている佐藤様に質問をいくつか投げかけてみました。

Q
北海道では10月ごろからスタッドレスタイヤに交換するようですが、
タイヤを履き替えたときに違いを感じることはありますか?
A

運転をするとすぐに違いを感じます。夏タイヤに比べますと柔らかい印象があり、轍に入ると特にふらつきが目立ちます。日ごろから「急」(急発進、急ハンドル、急ブレーキ)の付くことはしませんので運転には全く影響はしません。

Q
冬道走行での注意点や、心掛けていることを教えてください。
A

一般的ですが、「急」の付くことをしないこと。急なことを避けて余裕を持って止まれるスピードと車間距離に気を配ります。コツというよりは自動車教習所で習うことを忠実に守ることです。常に滑ることや止まらないこと、特に怖いと思うことで自分に対して注意喚起しています。なので慣れた道ほど慎重になります。

Q
街中や郊外の道路で雪に気を付けることはありますか?
A

街中では特に交差点ですね。交通量にもよりますが、踏み固められた雪が部分的に溶けだし、再度固まることで氷状になっており、交差点手前から滑りやすい状態になっています。そんなときは、かなり早めに減速体制をとってブレーキを踏む量を少なくします。郊外ではスピードを出しすぎないように常にスピードメーターは気にします。

Q
郊外走行では坂道やカーブが続きますが、そういった道ではどうですか?
A

坂道の上り坂では途中で車が止まってしまうと、そこから動かすのが難しい場合があります。タイヤが空回りして進めなくなることを想定して、前車との車間距離をとり、車を止めないように注意して走らせます。坂の途中で止まってしまうと後続車に迷惑をかけてしまいます。下り坂では特にスピードに気を使います。積車時は制動能力も落ちるのでエンジンブレーキをしっかりかけて減速して走ります。状況にもよりますが、排気ブレーキや、リターダシステムも効きすぎると氷上では滑ってしまうことがあるので路面状況と相談しながら操作しています。

Q
走行中に凍った路面に変わってしまった場合の注意点を教えてください。
A

まず違和感としてはハンドルが急に軽くなり、スタッドレス特有の撚れ(ヨレ)がなくなります。そしてタイヤが発している走行音が急に静かになります。そのような変化が生じた際は迷わず減速しています。走行中はスピードメーターで速度に注意するのはもちろん、同じように外気温メーターもよく見てマイナス3度より下がると凍結の危険性が増しますので、注意します。

Q
チェーン走行はされていますか?
A

最近のスタッドレスタイヤに関して言えば北海道の雪質にもよりますが、チェーンをかけることはほとんどないです。走れないほどの雪が降る場合などはあらかじめ天気予報などで情報をキャッチしていますので、よほどのことがない限りスタッドレスタイヤで走ることができます。操作性という点も大切で、荷物を積むときも荷台に対して重量バランスを考慮して積むようにしています。この方が走行安定性が良いです。

Q
路面状況や天候の変化などもよく遭遇すると思いますが雪により前方の視界が悪くなったり道路の雪の量が変わる場合はどのように対応しているのですか?
A

高速道路でも一般道でも、まずは車間距離に余裕を持たせておくことが重要です。吹雪で視界が悪くなっても減速して対処できます。そして自車の存在をしっかりと後方の車にハザードランプ、ライトの点灯で認知させます。急に停車させてしまうと後続車の追突などの危険性も出てくるので、視界が確保できるまではいつでも危険回避できるように前後に気を配りながら走らせます。また雪が深くなっている道の場合は矢羽根(路肩や路側帯の境を示すスノーポールなどと呼ばれているが正式名称は「固定式視線誘導柱」)に注意しながら走ります。

Q
通常の乗務にあたって常備しているもや便利なもの、万が一に備えて何か持っていくものなどありますか?
A

天気予報次第では、多めに水や食料を買い込むことはあります。加えて、濡れたり汚れたときの着替え、スコップは常備しています。

Q
突然の雪道に遭遇したとして、経験の浅いドライバーはどのように対処すればいいでしょうか?
A

まず、慣れていない雪道で無理して周りのスピードに合わせる必要はありません。しっかりスピードを落として左側を走行し、自分にプレッシャーをかけないことです。坂道では止まってしまうと再度動き出せないようになってしまうかもしれないし、もし止まってしまったら後続車の妨げになって2次災害を起こしてしまうかもしれないので早め早めに判断をしましょう。雪用ワイパーブレードに変えておくことも必須ですよ。

Q
最後に全国のプロドライバーの人たちに伝えたいことがあればお願いします。
A

運転免許を取った時に習ったことをもう一度思い出して、車間距離を十分に取る、早めにブレーキをかけれるように減速する。急な動作をしない。これをいつも心にとめてハンドルを握ればいいと思います。運転以外では、日々の点検が重要です。3万kmごとのオイル交換と目視によるタイヤの状態を見てタイヤローテーションもしっかり行います。最後は車両も人も身だしなみは重要です。お客様は常に我々のことをよく見ております。プロであれば、車両も服装も常に整えておくべきですね。

インタビュアーあとがき

プロドライバーとして、安全に運転し安全に積み荷を届けるために自分も、車も大切にされている。一見簡単そうなことですが、それを継続されてきて現在も活躍されていることに敬服いたしました。

企業さまアンケート調査

企業様向け アンケート調査

リモート取材をさせていただいた企業様に、アンケート調査をお願いしました。
企業様が考える業界のこと、ドライバーさんの役割など幅広くお聞きしました。
ご回答者
株式会社ウィルキャリー
代表取締役
蝦名 洋
Q
貴社では優秀なドライバー様が多数在籍されていますが、ドライバー様への指導/育成方法を教えてください。
A

入社時に座学教養・整備講習・マテハン・パワーゲート取扱講習等を経て添乗指導へと進んで参ります。また定期的に安全衛生委員会を開催し、ドライブレコーダー画像を用いた事故事例やヒヤリハットの共有、KYTトレーニング等を行っております。プロドライバーとしての意識向上・将来の管理者候補として、クルーの皆さんへ運行管理者資格の取得を推進(勉強会開催)しております。事故・交通違反・商品事故・クレーム等、発生させない意識づけとして優秀表彰が有り、2ケ月達成、年間達成とそれぞれ達成したクルーに対して表彰する制度を設けております。

Q
凍結路面・雪道などドライバー様は多くの冬道を運転されていると思いますが、
貴社では対策として、どのようなご準備をされていますか?
A

秋の安全衛生委員会にて冬道を題材とした講習で注意喚起を行っております。また集配先での除雪状況次第ではホームに接車できないケースもある為、スコップ・スノーヘルパー・タイヤチェーン・砂の車載を指示し、状況によって使用も指示をしております。

Q
北海道は凍結路面も多く、立ち往生などのトラブルが発生することもあるかと思いますが、
貴社ではトラブル発生時はどのような対応を取られていますか?
A

地方便はすべて非常用持出袋(非常食、緊急災害用毛布・トイレ)を車載しております。運行中、峠の通行止めが発生した場合にはその手前の大きな駐車場のあるコンビニエンスストア等(食料・トイレのあるところ)で一時待機、指示を待つよう周知しております。

Q
今後の社会におけるドライバー様が担う役割について、教えてください。
A

トラック輸送は日本の貨物輸送の9割を占めており、まさに日本の物流を支えているといっても過言では御座いません。トラック輸送の担い手であるトラックドライバーはなくてはならない存在です。そんなトラックドライバーの役割は荷主様からお客様へ商品を安全に安心をお届けして評価される、大切な役割です。

Q
企業としての社会貢献/地域貢献について、貴社にて考えていることを教えてください。
A

2018年9月北海道胆振東部地震のブラックアウト時、当社顧客のスーパー店舗様と密に調整させて頂きながら食品を中心に当日から配送を致しました。当時食料不足が懸念され買い占めやスーパーさんへの行列が出来る中、社員一丸となって配送を続けました。また、コロナの影響による緊急事態宣言下でも我々は止まることなく動き続けており、皆さまのライフラインを支え続けております。当社クルーも社会貢献に誇りを持ち、常に一人一人がプロドライバーとして安全・安心を皆様にお届け出来るよう取り組み続けます。

お客様プロフィール
会社名
株式会社アイアイ・テー
事業内容
物流サービス業(物流センターの運営管理・貨物利用運送事業)
本社所在地
〒061-3241 
石狩市新港西3丁目700-2
電話番号
0120-71-3344
ウェブサイト

http://www.iit-inc.co.jp/

お客様プロフィール
会社名
株式会社ウィルキャリー
事業内容
一般貨物自動車運送事業
本社所在地
〒061-3241 
石狩市新港西3丁目700-3
電話番号
0133-75-5130
ウェブサイト

http://iit-inc.co.jp/willc.html

リモート取材と、アンケート調査のご協力
ありがとうございました。