北海道地区

三ツ輪物流株式会社 様

全国9拠点に配送ネットワークを持つ北海道釧路にある総合物流企業様です。
一般貨物をはじめ、港湾荷役、複合輸送/航空貨物、乳製品/飼料の運送や、倉庫/物流センターなどを幅広く展開するだけでなく、自社整備工場も完備しております。

安全走行のために、大切なこと

テスト走行後には
ホイールナットの増し締め

インタビュアー松尾 晃 さん
  • 免許/資格:大型・けん引・中型自動二輪
  • 大型トレーラーのプロドライバー経歴を持ち、日本全国の土地を走った経験がある。クルマ、バイク好きが高じて自動車関係の広告・雑誌業界に飛び込み、カメラマン(スチール・ムービー)・コピーライターとして活躍中。
取締役管理本部長牛坂 英樹
工場長三原 雅憲

輸送業界を取り巻く環境は年々厳しくなっている中、毎日のように報道されることも多いトラックの事故報道。特に大型車に関して、車輪の脱落事故は一時期減少傾向にありましたが、2011年以降年々増加傾向にあります。
今回は、北海道釧路市を拠点に道内はもとより、全国に展開する三ツ輪物流株式会社の車両管理を統括する牛坂様と、整備工場で工場長を務める三原様のお二方に事故防止のための安全管理についてお話をお伺いしました。

車輪脱落事故について

Q
貴社の脱落事故に対するお考えや取り組み方について教えてください。
A

(牛坂)多くの車両を抱えるため、運行するドライバーの管理はもちろんシャシーの安全管理に向けて、関わる全ての人間の安全意識向上が不可欠となります。分かりやすい方法としては、車両のホイールナットには締め付け後、マーキングを入れて目視で緩みがないかを確認できるようにしています。トラクタヘッドについて、当社ではスタッドレスタイヤ交換時期などに自社整備工場にてドライバー自らが交換するようにしています。整備士より指導を受けながら、ドライバー自身が専用工具を用いてタイヤ交換することで、車両の特徴を把握し、乗務時に何らかの異変に気付けるようにしています。

Q
整備士の指導について詳しく教えてください。
A

(三原)インパクトレンチやトルクレンチの使い方をしっかり教えます。中でも重要視しているのは、タイヤ交換後にしばらくテスト走行してからホイールナットの緩みがないかを再確認し、増し締めをすることです。

次世代ドライバーの育成

Q
次世代のドライバー育成に向けての取り組みについて教えてください。
A

(牛坂)安全意識を高め、共有するために月一回の安全講習を行っています。その際、ディーラーの方に来ていただき、トラクターヘッド、シャシー部仕様の説明、点検方法の講習を実施いただいています。また、トラック協会にもご協力いただき、映像を見ながら安全運転の再確認や注意点を学べるようにしています。ドライバーの高齢化も問題になっており、若い乗務員の育成にも積極的に取り組んでいます。ドライバーには自社独自の資格取得制度を設け、独り立ちできるようになるまで熟練ドライバーが常に乗務し、仕事内容や車両のメンテナンス、危険な作業などを未然に防ぐ為に指導します。これらを管理する者は指導の内容や方法が適切であるかを日々意識して取り組んでいます。

安全研修会

北海道ならではの「運行管理」と「車両整備」

Q
多くの車両を抱えると運行管理や車検、点検など混乱があると思われますが、どのように対応されているのでしょうか?
A

(牛坂)当社では独自の車両管理システムを使っておりまして、トラクタヘッドの場合は検査証情報のほかに、乗務員、保険、車番変更情報を常に把握できるようにしています。シャシーに関しては全国に配送があるため貨物情報のほかに、車両の動静位置情報を把握することで車検・点検時期が近づいている地方に出ているシャシーを優先的に釧路に戻して、早めに点検整備できるようにしています。この管理システムにより貨物の集荷配達事情の変更、シャシーが万一故障した際に、配車業務を滞りなく進めることができます。

Q
北海道ならではの運行管理で困ったことや工夫されていることはありますか?
A

(牛坂)フェリーによるシャシー輸送の場合、海が荒れてフェリーの欠航や延着になり集荷や配達時間がずれることがありますので、そのリカバリーに追われます。また、冬季は道路情報を取得するのに苦労します。例えば、雪や事故による通行止め、規制解除などです。そして北海道ならではのホワイトアウトやブラックアイスバーンなどに遭遇した場合は、徹底した走行のスピードダウンを指導しています。特に、橋の上などやトンネル出入り口でその症状が発生しやすいので、細心の注意を払います。

Q
北海道ならではの車両整備に気を配ることはありますでしょうか?
A

(三原)ブレーキ周辺の点検修理(ブレーキラインのエアー漏れ、錆によるブレーキカムの不具合)を重点的に行います。
具体的に言いますと寒さによるブレーキの凍結です。ブレーキのエアーラインに水分が入り時間がたちますとブレーキチャンバー内で水分が凍ってしまい、ブレーキがロック状態になります。ブレーキシューがドラムにあたったままの状態で走行するとドラムが熱を持ち、やがて車両火災につながります。そのため、車検毎にパーキングブレーキのリレーバルブの交換もしくはオーバーホールは必ず行い、水分が入り込まないように気を使っています。
あとは雪国ならではですが、シャシーの錆の進行が早いので、車体保護のためにもシャシーにも車検前にしっかり防錆塗装(シルバー)を行っています。

作業前ミーティング
連結確認の指導

ダンロップに期待すること

Q
ダンロップとの関わりも長いとお聞きしましたが、今後のダンロップタイヤに期待することはございますか?
A

(牛坂)車両台数を多く抱えていますので先ほどの車検毎のシャシー塗装も費用がかなり掛かります。ガソリン価格も高騰している昨今は、ぜひライフの長いタイヤを開発していただいて、タイヤ交換頻度を少なくできますと、交換する整備工場、ドライバー、経営にとってもありがたいので、ぜひお願いします。そして、タイヤの取り扱いに関する安全講習会もお願いしたいですね。

本日は車輪脱落事故防止のための安全対策、安全管理のお話をお聞きすることができました。ドライバー自身はもちろん整備工場と連携し、管理者がホイールナットの締め付け後の再確認と増し締めの指導をすることの大切さを痛感致しました。本日はお忙しいなか、貴重なお時間をいただきありがとうございました。

データで見る三ツ輪物流株式会社

創立50年 100年企業を目指して頑張っています
社員数259人 多くの社員が勤務しています
事務職男女比 男性69.5% 女性30.5% 男性が多いですが、女性も多く活躍しています
事務職平均年齢 44.41歳 40歳以下の若者が多く活躍しています!
年間休日 112日 休みも充実!
労働時間 1日実働8時間 平日でもプライベートの時間をしっかり確保できます
全国9拠点 日本全国を拠点としてネットワークが広がっています。 本社:釧路 支店:帯広・苫小牧・水戸 事業所:北見・白石・石狩・恵庭・大塚・よつ葉
有給休暇取得率 63.4% プライベートの時間をしっかり確保できます
お客様プロフィール
会社名
三ツ輪物流株式会社
事業内容
港湾運送業/倉庫業/産業廃棄物収集運搬業/貨物荷捌業/貨物利用運送事業/貨物自動車運送事業 など
本社所在地
〒084-0913 
北海道釧路市星が浦南4丁目1-10
電話番号
0154-53-4662

リモート取材のご協力ありがとうございました。