大型車の車輪脱落事故防止策
近年大型トラック・大型バスの車輪脱落事故が増加傾向です。
タイヤ交換時の適正なトルク管理と運行前点検の徹底をお願い致します。
車輪脱落事故件数推移
年度別の大型車のホイール・ボルト折損等による車輪脱落事故※の発生件数
2019年時点で年間112台の車輪脱落事故が発生しており、年々増加傾向です。
2010年以降は車両総重量がおおよそ12トン以上の大型車のホイール規格が、国際規格である「新・ISO方式」に切り替わっています。
- ※車両総重量8トン以上の自動車又は乗車定員30人以上の自動車であって、車輪を取り付けるホイール・ボルトの折損またはホイール・ナットの脱落により車輪が自動車から脱落した事故
新ISO方式はJIS方式とナットの締め方が異なるため、注意が必要です。
新ISO方式のナットは、左車輪も右ねじ方向に締まります。
ホイールボルトに表示されているねじの方向を必ず確認してください。
ねじの方向、ホイールボルトの識別
ホイールボルトには、スチール用、アルミ用の識別表示があります。
ホイール交換や日常点検の際には、適用するホイール、ホイールボルトであることを確認してください。
出典:日本自動車タイヤ協会
車輪脱落事故の発生位置
左後輪96%(108件)と、かなり高いです。ナット締めが緩んでいた場合、最も力が加わりやすく、最も外れやすいためです。
車輪脱落事故月別発生件数
冬に車輪脱落が多いのは、繁忙期による注意散漫のためです。
安全・安心に運行いただくために、
運行前に必ず点検しよう!
運行前点検シートをご用意しておりますので、是非ご活用ください。
車輪脱落事故への安全啓発
おきまりのトルクできちんと締付けて
- トルクセッター/トルクレンチを使って本締め規定トルクで締め付けてください。
- 作業対象への“マグネット”利用などで閉め忘れを防止することができます。
- ハブ周り/ボルト、ナット/ホイールの正しいセットで緩みを防止しましょう。
ちゃんと増し締め交換
締め付け後の初期なじみによるホイールナットの締め付け力が低下した場合は50~100km走行後を目安に、増し締めを実施してください。
なット見て、
ボルト触って、さぁ出発!
ボルト触って、さぁ出発!
運行前にホイールボルト、ナットを目で見て触って点検してください。異常を発見したらすぐ整備工場で点検してください。
いや待てよ?
ボルトとナットは適正か?
ボルトとナットは適正か?
締付け方式には、球面座で締付けるJIS方式、平面座で締付けるISO方式があります。規定のトルクで確実に締付けてください。
ISOボルトの識別表示
ねじの方向
右ねじ | R |
---|---|
左ねじ | L |
ホイールの種類
スチール用 | ST |
---|---|
アルミ用 | AL |
共用 | S・A |
出典:19年国土交通省/自動車事故報告規則に
基づく報告及び自動車メーカーからの報告